公和・義和・廖同合が石臼を守り続ける――豆の味へのこだわり
Brand Museum ガイド


公和(クンウォー、Kung Wo Beancurd Factory)、義和(イーウォー)、廖同合(リウトンハップ)のように、石臼で大豆を挽くことにこだわる豆品店(ダウバンディム、豆腐・豆乳製品の店)があります。石臼と機械式豆乳マシンの違いは、いったいどこにあるのでしょうか?
機械式豆乳マシンは「鋼砂磨」(金属製グラインダー)とも呼ばれ、多くは高温で研磨するため、大豆の豊かな香りが損なわれやすく、焦げたような匂いさえ出ることがあり、できあがった豆乳の口当たりは水っぽくなります。一方、石臼は磨り歯が均一に回転し、大豆が外の空気とよく触れ合うため、豆の香りはより濃厚に、口当たりはより豊かになります。
栄養の面では、鋼砂磨は高速切断・高温研磨・高圧の技術のために、大豆の栄養が失われてしまいます。石臼で挽いた豆乳も実際には煮沸が必要で、その栄養もやはり失われるのですが、この方法ならタンパク質、カルシウム、リン、鉄、ビタミンB1・B2などの成分をより多く残すことができます。
実のところ、石臼で豆品を作る店は減る一方です。そして香港全域で石臼を作り、修理できるところも、麥榮記(マッウィンゲイ)と加威機器廠(ガーワイ機械工場)の2軒を残すのみとなりました。
この職業を侮ってはいけません。根気や力が少しでも足りなければ続かない仕事です。石臼を1基作るには少なくとも1か月かかります。まず臼の本体を磨き上げ、底面は8等分に割り付け、それぞれに9本の溝を刻みます。目盛りの一つひとつを手作業で測り、鑿(のみ)で刻むのです。石選びから研磨、調整までの工程だけで、合わせて20日もかかるのです!

石臼は1基で20年から30年使えます。しかし鋼砂磨はコストが低く、回転が速く、1日に挽ける豆の量もずっと多いため、石臼は次第に鋼砂磨に取って代わられていきました。石臼づくりの職業が衰退し始めていることがうかがえます。今度こうした豆品店の前を通りかかったら、豆乳を1杯注文して、このこだわりの味をじっくり味わってみてはいかがでしょうか!
この記事のポイント:
- 石臼と鋼砂磨の最大の違いは味と栄養にあります。石臼は回転が均一で、大豆のタンパク質、カルシウム、リンなどの成分と豆の香りをより多く残すことができます
- 石臼にこだわる豆品店はますます少なくなっています。石臼はコストが高く、挽くのに時間がかかり、生産量が少ないためです
- 香港全域で石臼を修理できる工場は2軒だけになりました。石臼1基を仕上げるには1か月かかり、欠かせないのは根気と力です

ミニチャレンジ:
かつて、ずっと石臼を使い続けてきた豆品店が鋼砂磨に切り替えたところ、常連客はひと口飲んだだけで、以前と味が違うことに気づいたそうです。香港の豆品店で、この2種類の機械で挽いた豆品を実際に飲み比べ、そのときの味を書き留めてみてください。石臼で挽いた豆品は、本当により香り高く、よりおいしいでしょうか?